モダンメタル特化のギタープラグイン『The OdinⅡ』レビュー
今回はモダンなメタルを作るのに最適なプラグインを開発しているSolemn Tonesのギター音源『The OdinⅡ』をレビューしていきます。
モダンメタルに特化しつつも基本はベーシックな作りで、汎用性もあるかなりハイレベルなギター音源となっています。
総評
・モダンメタルに特化
・機能がシンプル
・驚異のダブルドロップC
・歪んだギター全般におすすめ
・VSTiプラグインであること
モダンメタルに特化
Djentらしさを出すためにはやはりチャグに代表されるような切れ味鋭い刻みは必須でしょう。
本機はそんなチャグをベロシティーで簡単に作ることができます。(キースイッチでもできます)
現状のギター音源......特にメタル系に寄ったものは少なくないですが、その中でもチャグを正規で実装しているギター音源は他にありません。
機能がシンプル
ギター音源のミュート関係はキースイッチかベロシティー操作かに分かれますが、本機はベロシティー操作になります。(チャグはキースイッチでもできます)
またギター音源の中にはコードのバッキング機能などの便利機能が搭載されているものが多々ありますが、本機はそういった便利機能はなく打ち込みの技術が出る音源と言えます。
この便利機能については賛否分かれるところですが、本機に関して言えばメタルに特化しているということもありいい意味で選択肢が狭いと言えます。
驚異のダブルドロップC
Solemn Tonesの弦楽器は基本的にダブルドロップCまで低音を出すことができます。
ダブルドロップCってあまり聞いたことがない人がいると思うので説明しますと、ドロップCがレギュラーチューニングの2全音下げな訳ですが、その1オクターブがダブルドロップCです。
近年のメタルコア、デスコアはDjentサウンドを取り入れるのが一般化しているのでギターのローを削る代わりにどんどんチューニングが下げられていっているのですが、流石にダブルドロップCを出しているバンドはいません。(いたら教えて欲しいです)
歪んだギター全般おすすめ
公式サイトのデモでもメタル系だけではなくポップパンクを弾いているデモがあります。
特にパワーコードを中心としたディストーションサウンド全般は相性が良いと言えます。
また細かいノイズやヒューマナイズ機能が充実されており、パキッとしたメタルサウンドのみならずリアルな演奏になるような工夫もされています。
ここで注意していただきたいのが本機はピックアップがブリッジ固定という部分です。
クリーンやクランチなどでの表現には限界があります。
VSTiであること
前作はKontaktのみ対応でしたが、今作からVSTiのプラグインになりました。
最近はVSTiのギター音源も見るようにはなりましたが、やはりまだまだ主流はKontaktなのかなと思わせられるぐらいにはKontaktのギター音源は多いです。
そんな中でVSTiでここまでの特化音源が出てきてくれるというのは価値があることです。
注意した方がいいこと
本機はいくつかのバリエーションがサンプリングされ収録されていますが、ここで注意して欲しいのが収録されているのはすべてDIの音だということです。
つまり本機だけではアンプの音は出ません。
必ず一緒にアンプシミュレーターが必要です。
その点ご注意ください。