【DTM】2020年沢山使ったVSTプラグインを振り返る
2020年の予定していた最後のマスタリングが終わったので、今年使用頻度がとても高かったプラグインを振り返っていきたいと思います。
今年はミキシングであれば自分の曲ではポップス、他人の曲ではメタルや激しめな曲が多かったように思うので結構極端な内容になるかもしれません。
使っていての感想や付随したおしゃべりをしていければと思っています。
よく使った音源編
Reveal Sound / Spire
音源に関しては何か特別なものであったりしない限りはわりかし同じものを使うことが多いです。
去年とは打って変わって今年はあまりクラブ系やEDMなどを作らずポップスを作ることが多かったのでシンセは大体このSpireか後述するTRITONのものを使うことが多かったですね。
SpireはバリバリにEDMやクラブ系のメインを張るシンセですが、アニソン作家大体Massive使ってる説くらいのノリで使っています。Massiveを持っていないので......
持っていてもSpireに成り代わるのかと言うと、Spireでよく使うプリセットがあるのでそういったことにはならないでしょうね。
来年はハウスやトランスも作っていきたいのでさらに稼働率が増えそうです。
KORG / TRITON
去年の末?もしくは今年頭に発表されたソフトウェアTRITON。
今年はポップスを作っていたので使いまくりました。
私の好きな世代のポップスに実機のTRITONや01/w、TRINITYなどがよく使われていたのでピアノやストリングスにシンセなんかも大体イメージ通りのものが出てきてくれます。(実際よりややハイファイ気味ですが)
ストリングを一番使ったかなと思います。
私の好きな作家がKORGのストリングスをほぼほぼ後ろでパッドとして使いつつオブリガードとして動かすようなものをずっと聴いて育ってきたのでマネしまくりました。
正直今年流行ったポップスが好きな人的にはまったく光る音楽ではないと思いますが、あえて今後も作っていきたいですね。
Toontrack / Superior Drummer3
今存在するドラム音源の中でもっともリアルさ・コントロールのしやすさ・音の使いやすさの3拍子が揃っているドラム音源だと思っています。
リアルさといっても様々あるのですが、使いやすさが加わらないものがある中でこの音源は非常に全てが高スペック。
収録されているMIDIパターンなんかは使うことがないのでちょっと分からないですけど、全ての人に勧めることができる音源だと思っています。
IK Multimedia / MODO BASS
ベタ打ちでもそれっぽくなる文明の利器です。
しかし流石に生録と比べると打ち込みっぽさはベタ打ちでは出てしまうので本当に生録っぽくしようとするなら打ち込みは練習しなければいけません。
デモで使ってテンションが下がらなければいいかなくらいの気持ちで使っています。
たまーにベーシストさんを捕まえることができずにそのまま使うことがありました。
ちなみにメタル系のベースは正直イマイチ......そちらの用途なら専用音源がこの世にはもう結構あるので頼るのがいいと思います。
Ample Guitar T・M
今年はポップスを沢山作ったのでもちろんアコギも沢山使いました。
使いやすさとリアルさでいったら一番バランスがいいのではないかなと思います。
基本的にはMの方で作るのですが、ダブリングする時はTでも作って左右に振ります。
ただしこちらはベタ打ちだとそんなにいい感じにはならないので多少は打ち込みを工夫するのがいいですね。
アコギはバッキングでもよく聴こえるパートなので意図がない限りちゃっち過ぎるのは悲しくなってしまいます。
よく使ったエフェクト編
A.O.M. / Sakura Dither
しょっぱなディザーはどうなんだろうと思いましたが、間違いなく一番使ったのはこれです。
使用率100%。(そもそもディザーってエフェクトって言うんですかね......)
正直これ以外のディザーって使ったことがなくて他とどれくらい違いがあるのかはわかりませんが、少なくとも本機は少し聴こえ方に補正を入れるモードが3つあるので他と違いを作ることはできますね。
でも基本的には一番ナチュラルなモードを使うことが多いですね。
もちろん自分の曲にも他人の曲にも全てで使いました。
SPL / Hawkeye
SPLのプラグインでしかないオリジナルのアナライザーです。
こちらも使用率100%です。なぜなら全てのテンプレートで最初からマスターに刺さっているので。
やはり沢山ある情報が1つの画面で見渡せるのがいいですね。
あと賛否両論ありそうですが見た目も結構好きです。
中々気にいっているのでハードウェアでも出してくれないかなぁとか思っています。
Xfer Records / LFO Tool
ダッキングツールとしてではなく音に色々な動きをつけられるツールとして今年も重宝しました。
バッキングトラックに使うことで新しいビートを作ったりなど大変面白いです。
プリセットも結構な数入っているのでそれらで十分賄うことも可能。
他のダッキングツールよりやや高いですが、1回呑みに行くのを我慢して買うことをお勧めします。
iZotope / Vocal Doubler
フリーのダブラーですが、ボーカルのダブリングに関しては一番使いやすく幅も広いなと感じています。
音が濁らないのがいいですね。
おかげで強めにかけてしまいたくなります。
Wavesのダブラーを使っている人には一度使ってみてもらいたいです。
しかボーカル以外では使い辛いですね。
使ってみれば分かります。
Brainworx / bx_console Focusrite SC
THDの質感とEQの掛かり方が好きで特に今年の上半期はよく使っていました。
特にメタル系に使っていたので、後半ポップスばかりになったから頻度が減ったのかなとは思います。
ハイファイな感じでカチッとハマるようなサウンドに挿すだけでもなってくれるので、そのイメージが合う音楽には今後も使っていくと思います。
bx_console Focusrite SCをレビュー【モダンなサウンド】
Plugin Allianceチャンネルストリップの共通部分の使い方
Brainworx / bx_console 4000 E
J-POPと言えばSSL!日本の音楽と言えばSSL!みたいな感じで今年はポップスを沢山作ったのでSSLチャンネルストリップである本機を沢山使いました。
実機を使ったことがない弱者なのですが、プラグインでは散々SSLのEQを使ってきたので単純な音の解像度の高さは流石最近のプラグインだなーと思いました。言うてここ数年ってレベルですけど。
SSLのプラグインは本当にピンキリで沢山出ていると思いますが、本機はセールで4000円ちょっとくらいまでまあまあな頻度で安くなったりクーポン対象にもなるのでめちゃくちゃコスパが良いと言えると思います。
めちゃくちゃお勧め。
すべてがパーフェクトなbx_console SSL 4000Eレビュー
Plugin Allianceチャンネルストリップの共通部分の使い方
A.O.M. / Invisible Limitter 無印とG2
今年のマスタリングではほぼほぼ使っています。
たまにクラブ系やEDMではPro-L使ったりもしますが、ほぼほぼこちらを使っています。
基本的にはG2が音量・音圧を上げる用途でコンプレッサーモードで使っています。
そして天井用に無印を使っています。
このマスタリングの形に変えてから目に見えて評判がよくなりました。
Sakura Ditherと共にマスタリングでは絶対に欠かせない存在になっています。
A.O.M. / tranQuilizr G2
A.O.M.が中々に続いていますがこれが最後です。
圧倒的に美しいブーストが特徴の一つである本機ですが、単純なフィルターや大まかな音作りでよく使っています。
動作も重いってことはないので沢山挿しています。
ブーストはやはり違いを感じることができるのですが、私は大体ブーストはアナログものを使うことが多いので全部乗っ取られているほどではありません。
見た目がとても好きという理由でデジタルのEQでは一番手が伸びてしまいます。
やや操作感が好きではない部分もあるのですが、それでも結構使っているということはそこまでその部分は重要ではないということなんでしょうね。
AMEK / EQ200
今年リリースされ主に私の中でとても盛り上がったEQになります。
あまりに使用感が好きだったのでリリースから数日で気合いを入れて記事を書いたりもしました。
マスタリング向けのパッシブEQとして高いレベルでまとまりつつも同じくPlugin Allianceのbx_digitalとほぼ同じと言えるユーティリティ性が加わっています。
【レビュー】AMEK EQ 200がユーティリティー性高くて最高におすすめな件【Plugin Alliance】
Plugin Allianceチャンネルストリップの共通部分の使い方
IK Multimedia / TR5 EQ-PB
APIの4バンドイコライザーをモデリングしています。
3バンドの方も使いますが4バンドの方が好きなのでこちらを選出。
EQとしても好きなのですが、一番の目的はプリアンプです。
このプラグインのプリアンプが決して新しいプラグインではないのですが、他のAPI系プラグインのプリアンプよりも立体的で使いたくなってしまいます。
沢山突っ込んで思い切り歪ませ音を強靭にする目的で、しょぼ目なスネアなんかにはよく使っています。
Black Rooster Audio / VLA-2A
世界でもっともポピュラーなコンプレッサーであるLA-2Aをモデリングした数あるプラグインの中の一つです。
他の種類のコンプより2A系はあまりもっていないということもありよく使っています。
コンプレッションが浅くても深くても説得力を感じる細くなりにくいサウンドで好きなのですが、作っている人がもともとPlugin Alliance関係にいたとのことでそれを言われると腑に落ちるものがありますね。
今回は出していませんがVLA-3Aもパーカッション系やアコギなんかでは使っています。
Brainworx / bx_townhouse buss compressor
SSLのバスコンプはいくつか種類を持っていますが、その中でももっとも使ったものになります。
いつもバスコンプを使う時は色々立ち上げて一番しっくりくるものを使うのですが、その中でも本機がドラムで使うことが一番多いです。
大体はアタック緩めリリース早めもしくはオートの設定でやや強めに潰しDry/Wetで調整というパターンが多く、その時の質感で本機を使う場合が多いですね。
2021年にもなってくると流石に最新のSSLのバスコンププラグインとは言い難いですが、最新のものにも負けないやや独特な甘めの質感とセール時の4000円ちょっとという圧倒的なコスパで他のバスコンプを牽引し続ける存在であっていくと思っています。
Plugin Allianceチャンネルストリップの共通部分の使い方
SPL / Transient Designer Plus
Plugin Alliancenの全部入りサブスクの中でもっとも出番が多かったかもしれないプラグインです。
トランジェントデザイナーの中でも珍しく実機があり、とても切れ味が鋭くしかも安いという評判です。
地味にいいなと思っているのがリミッターが搭載されているというところで、強めにかけてリミッターに引っ掛けて上げると他のトランジェントシャイパーではできないようなやや過激な音にすることができます。
そしてきっちりDry/Wetがあるのでそこで調整すれば音を破壊し過ぎずに非常に分かりやすいサウンドを作ることができるでしょう。
セール時にも5000円以下まで下がるので(具体的な値段を忘れてしまいました)かなりコスパも高いと言えますね。
Fabfilter / Pro-R
この手の話題で真っ先に出てきそうなFabfilter製品ですが、やっと出てきました。
買う前に友人からはEDM特によく使われると聞いていたのでかなり派手めな印象でしたが、派手ながらもコントロールがある程度利くので思ってたより柔軟に雰囲気を作ることができました。
視認性がいいとかは思ったよりもどうでもよくて、ノブの名前や配置がとても分かりやすく使いやすくて今までリバーブプリセットままマンだった私にリバーブを作るということを教えてくれたきっかけのようなプラグインでもあります。
また他のかなり評判の良いリバーブを見ても「欲しいは欲しいけどまあPro-Rあるから後回しでもいっか」とリバーブ衝動買いのストッパーにもなってくれています。
Steinberg / Mono , Stereo Delay(Cubase付属)
Cubase付属のディレイです。
他にもディレイはいくつか持っていますが、一番最初に手が伸びるのはやはりこれです。
自分のプリセットをいくつか作っているというのが一番大きいのですが、それでも特に使い心地や音にまったく過不足を感じない本当に素晴らしい出来です。
こちらもまたPro-R同様にディレイを買う時のストッパーになってくれています。
Brainworx / bx_rockergain100
今年リリースされたばかりの新しいOrange Rockerverbをモデリングしたアンプシミュレーターです。
リアルさで言えばかなり突き抜けてる部類に入ってくるPAのアンプなので歪みが色んなところで聴くあのOrangeの音です。
今年は作るデモの関係上沢山使いました。
もしかしたら来年はそんなに使っていないかもしれません。
Ampeg / B15N
PAのAmpegベースアンプ4つの中でもっとも沢山使いました。
どのジャンルでも映える絶妙な艶がありついつい使いたくなってしまいます。
逆にかなり激しい歪みを作ろうとすると結構べちゃっとした感じになって私はあまり好きではなかったので、そういう時は普通にギターアンプで歪みを作ってDIと混ぜたりとかをしています。
Arturia / Pre 1973
生々しさや派手さ、扱いやすさなど一点に尖らせば他にもっと良いやつはあるのですが、このPre 1973はそのすべてが高いレベルで纏まっていて大変優等生です。
Arturiaのエフェクト全般に言えることなのですがそんなに重くないわりにやけに解像度が高くて音が細くならないんですね。
使用用として一番多かったのは明らかにまともなプリを通していないような録音素材に対してかけたりというのが多かったです。
EQとして使うのはどちらかというとTR5のものが多かったですね。
Slate Digital / Virtual Tape Machines
テープのサチュレーターは人気で結構な数が世にリリースされているかと思いますが、その中でも私がもっとも好きなテープがこのVTMです。
テープってモデルにしてる元のテープマシンが違うとかもあってほとんどのプラグインで同じなと感じるものがないのでそれぞれに個性があります。
その中でも本機はよりローミッド以下に効いてくる感じで、特に一番気に入っているのが自然なテープのフラッター効果です。
これはエフェクティブいかにもな音揺れのフラッター効果ではなく、あくまでテープを通したらこうなるよね?というような不自然さがない自然な音の揺れができます。
この効果を打ち込みのドラムやベースなどにかけると、すべての音がやや揺れて有機的になるので一音一音が違う音になり打ち込み特有ののっぺり感を軽減することができます。
サブスクに入って使っていますが、このサブスクを辞めても少なくともこのVTMだけは単品で購入したいなと思っています。
Fabfilter / Pro-DS
最後を飾るのはFabfilterのディエッサーです。
ディエッサーなんてなんでもいいと言ってしまうと語弊がありますが、わざわざこれを使っている理由といえばさっさと作業が終わるからですね。
正直ディエッサーの調整なんてそんなに時間をかけたい部分ではないので、本機のプリセットを選んでスレッショルドを弄るだけでいい感じになるというのはかなり重宝しています。
特に拘りがなければかなりおすすめできます。
値段もそれなりですが。