普段作編曲をしたり、かなりコテコテに音作りをするロックやメタルのミックス・マスタリングをする私が、2023年1月現在で普段よく使っているプラグインを紹介しようと思います。
今回はプラグインエフェクト編です。
- EQ
- チャンネルストリップ
- ダイナミクス系
- VoosteQ / Material Comp
- Arturia / Comp TUBE-STA
- JST / GainReduction
- Millennia / TCL-2
- Black Rooster Audio / VLA-2A MarkⅡ
- JST / JW BG-Vocals
- Purple Audio / MC 77
- Black Rooster Audio / VLA-FET
- Brainworx / bx_townhouse Buss Compressor
- Lindell Audio / SBC
- Black Rooster Audio / VLA-3
- Waves / C4
- Waves / Linear Phase Multiband Compressor
- Xfer Records / OTT
- Brainworx / bx_limiter True Peak
- A.O.M. / Invisible Limiter G2
- JST / JST Clip
- JST / Transify
- SPL / Transient Designer Plus
- DMG Audio / Essence
- DMG Audio / TrackGate
- Steinberg / Gate
- サチュレーター
- Soundtoys / Decapitator
- Black Box Analog Design / HG-2
- Brainworx / bx_Saturator V2
- Kazrog / True Iron
- Black Rooster Audio / Magnetite
- Tone Empire / Reelight Pro
- Vertigo / VSM-3
- Unfiltered Audio / Bass Mint
- Waves / RBass
- Black Salt Audio / Oxygen
- Black Salt Audio / Escalator
- Steinberg / Distotion
- camel audio / Camel Crusher
- 空間系
- ピッチ補正
- ノイズ除去
- アンプシミュレーター
- その他
EQ
確実によく使っているな、と言えるのは4つとなってしまいました。
実際にはもっと持っているのですが、たまに使うかどうかというものが大半に……
というのもKirchhoff-EQが色んなアナログEQの代わりになってしまったり、チャンネルストリップのEQ部分を使ったりという感じに最近なっているからですね。
Steinberg / Frequency
Cubase付属のEQです。
一番使っているEQなので音がある程度分かっていたり、操作感が一番慣れています。
とは言え↓のEQと比較してしまったことにより、あまりの音の違いにミックスでは使わなくなってしまいました。
マシンパワー的に↓のEQをたくさん使いながら重いソフト音源やサンプラー をたくさん使うのというのがキツイので、このEQは今はもっぱら作編曲中の使用となっています。
Three-Body Tech / Kirchhoff-EQ
現在ミックス・マスタリング時にメインで使用しているデジタルEQです。
↑のEQをずっとメインで使っていましたが、比較してあまりの音の違いでこちらのEQを使わざるを得ないような感じになってしまいました。
手持ちの色んなアナログEQを倉庫番にした元凶。
今までPro-Qなど定番のEQにあまり心が動かされなかったのですが、これはなかなかに音の違いというやつを叩きつけられた感じです。
アナログEQのカーブを扱うことができるのが大きな特徴ですが、これによって今まで自分が想像していた音の想像が結構プリアンプによる脚色が大きかったということが分かりましたね。
Three-Body Techさんのコンプレッサーとかも是非とも見てみたいですね。
Focusrite / Red 2 EQ
↑のEQに入っていないEQモデルです。
という理由ももちろんあるのですが、このEQはブーストした時にアタックがかなりはっきり出てくれるので、エッジを出したいトラックのブースト用途に使っています。
Black Rooster Audio / VEQ-1P
Pultecのカーブは↑のKirchhoff-EQにも入っていますが、それでもこのEQのプリアンプの音が魅力的で変わらずアコギなどで使っています。
高域は煌びやかに、低域はしっかり太くすることができます。
チャンネルストリップ
大体EQ部分のみ使うことが多いです。
Brainworx / bx_console SSL 9000 J
SSLのEQとして使うことが多いです。
Kirchhoff-EQと比べてプリアンプによる色付けがあること、またGUIの差異でEQの掛け方もより感覚的になってきます。
Brainworx / bx_console AMEK 9099
AMEKのEQということで特別意識して使っているというわけではありませんが、↑の9000Jと比べてEQの周波数の幅が広いので、チャンネルストリップ中心でミックスをする時に使っています。
時短プラグインという感じです。
Lindell Audio / 80 Channel
非常にキャラクターが濃いチャンネルストリップです。
ミドルテンポのロックやポップスの時には優先的に使っています。
ダイナミクス系
コンプレッサーはKircchoff-EQみたいに駆逐されたわけではないので変わらずキャラクター毎にプラグインも分けています。(ここで紹介していないものも使う時が結構あります。)
ゲートはPro-Gが欲しいなと思いつつまだ購入できていません……
VoosteQ / Material Comp
色々できる系コンプです。
これ系はかなり競合もありますが、音を調整する項目(特に倍音関連)が豊富です。
また日本製ということもあって好んで使っていますね。
倍音関連が豊富で音のカスタマイズが楽しいですが、コンプレッサーのモードで一番好きなのがVoosteQさんオリジナルのModernモード。
デジタルコンプの中でも一番好み音色です。
Arturia / Comp TUBE-STA
ボーカル用でいつも使っているコンプです。
かなり自然にダイナミクスを狭めてくれて、良い感じの抜け感も入ります。
ストリングスとかにも良いと思います。
JST / GainReduction
ボーカル、特にデスボイスやがなる感じのパワーのあるボーカルに使います。
ダイナミクスを潰せる以外に、かなり特徴的な音にもすることができます。
GainReductionの音にするという感じの使い方ですね。
Millennia / TCL-2
とにかく良い感じにまとまるコンプレッサーです。
派手になる感じではないので後ろに配置したいトラックに使っています。
Black Rooster Audio / VLA-2A MarkⅡ
LA-2A系のコンプでは一番好きで使っています。
ボーカルやストリングス、その他アタック遅リリース遅に合うソースで使っています。
プリアンプのキャラクターがややどっしりした感じもあるので、ドラムなんかにも良さそうですね。
JST / JW BG-Vocals
バスコンプのシリーズですが、このJWシリーズはリミッターの動きをします。
これはもうコーラスの壁を作りたい時に使っている感じですね。
リミッター部分以外のパラメーターでも音作りができて、そこがハマればリードボーカルにも使っています。
特にデスボイス系には相性がいい気がしています。
Purple Audio / MC 77
一番使っている1176系のFETコンプレッサーです。
芯のある音でドラムでは基本これを使っています。
全押しもできるので、ドラムバスにパラレルで使っています。
PAのTMT機能によって指定したチャンネル毎に音の差異が出るので、このプラグインばかり使っていてもトラック毎に音の分離感が出やすくなるのも素晴らしいと思います。
Black Rooster Audio / VLA-FET
↑のMC77とはキャラクターが違って、もう少し柔らかく歪みやすい感じがします。
ボーカルやベースのアタックを揃えたい時に使う時が多いです。
Brainworx / bx_townhouse Buss Compressor
恐らく一番よく使うVCAコンプレッサーです。
SSLのバスコンプなのでドラムバスやマスターバスでも使いますが、単体トラックでもちょくちょく使っています。
ギターバッキングで圧を出していくような時はギターにもガッツリ使ったりします。
マスターバスにDry/Wetで混ぜていくような使い方も好きですね。
Lindell Audio / SBC
APIのコンプレッサーです。
同じAPI2500系の中でも特にヘヴィーな仕上がりになりやすいです。
イメージが合うようなドラムトラックに使います。
Black Rooster Audio / VLA-3
LA-3Aのコンプです。
メタル系のベースで複数のベースをまとめたバスに使うのが好きです。
また速いアコギやパーカッションなんかでも使っています。
Waves / C4
伝統的なプラグインマルチバンドコンプですね。
Cubase付属のマルチバンドコンプがあまり好きではなく……
マルチバンドコンプはあまり選択肢がないので必然的にここに落ち着いています。
とは言え普通に音が結構好きというのもあります。
Waves / Linear Phase Multiband Compressor
リニアフェーズ版です。
マスターで使う時はこちらを使うという感じですね。
Xfer Records / OTT
マルチバンドコンプではありますがOTTというエフェクトとして使うで定番のOTTです。
シンセにはもちろん、古いシンセやワークステーションの音を使う時に周りの質感に合わせるというために少し欠けたりもしています。
Brainworx / bx_limiter True Peak
結構軽めなので作編曲中やミックス中のマスターリミッターに使っています。
最終的にマスタリングで使うことはあまりないですね。
見た目がかっこいいので友達に見せる時に映えます。
A.O.M. / Invisible Limiter G2
マスタリング時に一番使っているリミッター/マキシマイザーです。
と言っても前段にクリッパーを使うのが好きなので、ここでそこまでガッツリ潰すということはしないです。
JST / JST Clip
ドラムでコッテコテの音作りをする際に使っています。
スレッショルド(天井)固定で、入力を天井に突っ込んでアウトプットで音量を落とすという使い方です。
マスターでも使っています。
クリッパーでよくあるニーをいじることができないので、完全にJST Clip固定の音になります。
JST / Transify
マルチバンドのトランジェントシェイパーです。
かなりバッチバチになるのでロックやメタルのコッテコテのドラムにはもってこいですね。
SPL / Transient Designer Plus
だいぶ効きが良いシングルバンドのトランジェントシェイパーです。
Dry/Wetがあったりリミッターが付いていたりと、他のトランジェントシェイパーにはないような機能が付いているので、効きが良いキャラクターを活かして極端な音作りを混ぜることができるのが魅力です。
DMG Audio / Essence
かなり自然に音を潰せるディエッサーです。
GUIが見やすく音もいいのでディエッサーの中では一番好んで使っています。
DMG Audio / TrackGate

いくつかのスタイルのゲートを使うことができるプラグインです。
↓のゲートとキャラクターが違うので、合わせて使うことが多いです。
あとこのTrack〜シリーズはGUIがとても見やすくて好きですね。
Steinberg / Gate
Cubase付属のゲートプラグインです。
不自然になりにくいのでまずはこれで下処理、その後↑のTrackGateでバツっと切るという使い方をしています。
サチュレーター
EQがデジタルのKirchhoff-EQが多くなったということもあり、サチュレーターなどの倍音付加系は色々キャラクター違いを集めるようになりました。
Soundtoys / Decapitator
色々できるサチュレーターです。
基本的には単純に音を大きくする用途に使っていますが、ガッツリ歪ませたのをDry/Wetでドライの音に混ぜていくことで音の広がり感や奥行きを作るのにも使ったりしています。
Black Box Analog Design / HG-2
3種類のサチュレーションと自然な効きのAirEQが付いているサチュレーターです。
マスタリングやボーカル、ベースなどに使っています。
設定に時間がかかるのでプリセット選ぶことが多いです。
Brainworx / bx_Saturator V2
M/Sでかけることができるサチュレーターです。
マスタリングでサイドにかける目的で使うことが多いです。
EQで上げるよりも好きですね。
Kazrog / True Iron
トランスをシュミレートしたプラグインです。
打ち込みのベースに使ったり、マスタリングで使ったりしています。
選択するトランスのモデルによって変わる音がどれも振る舞いを変えるような自然なかかりで気に入っています。
Black Rooster Audio / Magnetite
一番好きなテープサチュレーターです。
ざっくり派手さが違う3種類のテープを使うことができます。
低域と高域が伸びる派手なモデルよりも、高域をわずかに削るようなモデルをシンバルなどによく使っています。
Tone Empire / Reelight Pro
6種類のテープを扱うことができます。
かなり歪みやすいのでローファイな雰囲気を簡単に作ることができます。
重心を落とすような用途にも向いていると思います。
プリセットが多いのも嬉しいですね。
Vertigo / VSM-3
ハーモニックディストーションです。
マスタリングで音に迫力を出す(すごい乱暴な表現)ような目的で使っています。
一見いじる部分が多くて最初は混乱するかもですが、実際はそこまでガッツリいじらなくても使えます。
Unfiltered Audio / Bass Mint
低域を盛るプラグインです。
色んな盛り方を選ぶことができるので、様々なソースに対応することができます。
音も好きでベースに使うことが多いです。
Waves / RBass
伝統的な低域を盛るプラグインです。
指定した周波数に直で音を足すことができるのがいいですね。
音自体はもっと良いプラグインが他にありますが、それでもこのプラグインを使う理由になってくると思います。
Black Salt Audio / Oxygen
高域を調整するエキサイター/サチュレーターです。
見えているノブがすべて0でも、Dry/Wetを上げるだけで高域が強くなっていきます。
設定の幅が広くプリセットも豊富なので、ミックスからマスタリング、作編曲までフル活用しています。
Black Salt Audio / Escalator
ワンノブのサチュレーターです。
特定の音になるので、キャラクターが合うソースに使う感じです。
強くかけてもディストーションとまではいかない感じなので、ミックスの中で後から音を目立たせるような用途で使えます。
Steinberg / Distotion
ガッツリディストーションという感じの歪み方です。
かなり無機質で冷たい感じなのでソースに合えばかなり良い感じの雰囲気を出すことができます。
camel audio / Camel Crusher
定番のフリーディストーションプラグイン。
作編曲でシンセの音作りに使う定番の使い方です。
空間系
人気どころをあまり持っていないので、今後はその辺りを揃えていけたらなと思っています。
Exponential Audio / R4
レキシコンをブラッシュアップしたようなデジタルリバーブです。
パラメーターが多いですが基本的な部分だけ触れれば十分威力を発揮できると思います。
近年はエグい安売りをしているので狙い目。
Valhalla DSP / Supermassive
フリー最強リバーブです。
とにかくかっこいい音が作れるので作編曲でもミックスでも活躍しています。
ド派手なシンセやボーカルで使っています。
JST / Sky Box
ストライモンのペダルリバーブを元にしているだろうと思われるリバーブです。
これもかなり音が好きで、ボーカルには基本これを使っています。
値段がかなり安くコスパ抜群。
Steinberg / PingPongDelay
Cubase付属のピンポンディレイ。
普通に使いやすく過不足ありません。
Steinberg / StereoDelay
こちらもCubase付属のステレオディレイ。
普通に使いやすいです。
Audiority / Deleight
エフェクティブなディレイを作りたい時に使っています。
プリセットが優秀でいつも助かっています。
JST / Soar
使いやすいテープディレイです。
テープディレイ自体そこまで頻繁に使う物ではありませんが、使うと一発で雰囲気を作ることができるので作編曲で使うことがあります。
ピッチ補正
定番どころと新しい良い感じのやつ、それぞれ1つ用意しています。
Brainworx / bx_Crispytuner
いくつかの動作モードがあり、普通にピッチを手動で動かすこともできれば、自動で補正するオートチューンのようなモードも搭載されています。
かなりヒップホップ系のボーカルを意識されている感じがしますが、全然ポップスにも使えます。
音も結構良い感じですが、何よりもコスパが良い。
Celemony / Melodyne
定番のピッチ補正ソフトです。
基本的には↑が好きなのでそちらを使っていますが、持ってて安心という感じですね。
そもそもできれば自分でピッチ補正したくない……
ノイズ除去
あまり持っていないですね。
Wavesの話題になったClarityなんか欲しいな〜と思ったりしています。
accusonus / ERA 6
少ない操作でノイズを軽減できるプラグインです。
良い感じの精度です。
アンプシミュレーター
アナログらしさを意識したアンシミュも複数持っていますが、結局自分の曲でも他人の曲でも使うのはデジタルでモダンな感じのアンシミュが多いですね。
したがって弄りやすさなんかもかなり重視しています。
Neural DSP / Archetype: Nolly
恐らくモダンメタルでは一番使われているであろうアンプシミュレーターです。
最近の色んなアルバムでこの音を聞くことができます。
これは持っておきたいプラグインと言ってしまってもいいかもしれないですね。
Aurora DSP / Rhino
モダンなアンプシミュレーターです。
全然アンプという感じのGUIではありませんが、かなり弄りやすく気に入っています。
そして何よりも音の幅が広くコスパが高い。
弄っていてかなり楽しいです。
Bogren Digital / AmpKnob – RevC
名前の如くゲインノブ一つ調整するだけで完結するアンプシミュレーターです。
とにかく音が決まるのが速いので、スピード感が欲しい作編曲の時に重宝しています。
しかも出てくる音が普通にかっこいいので、結局本テイクでも挿さっているということもあります。
Ampeg / B15N
ベースの割と汎用的なアンプシミュレーターです。
こちらもとにかく出てくる音がかっこいいのでとても気に入っています。
Audified / Sphene Pro
これひとつでディストーションサウンドを作れるベースアンプシミュレーターです。
ガッツリディストーションした音を作る時に使っています。
その他
Waves / VU Meter
ミックス時に表示させておいています。
マスターの音量管理以外に、個別トラックのエフェクトオンオフでの音圧感を見たりもしています。
ADPTR / MetricAB
とても便利なメータープラグイン。
機能がA/Bチェックにスペアナだけでもたぶん変わらず使っています。
Voxengo / Correlometer
位相をチェックするフリーのメーターです。
こちらもミックス時に表示させておいています。
DOTEC-AUDIO / DeeGain
純粋なフェーダープラグイン。
持っていると何かと便利です。
なぜ数ある中でこれを使っているのかというと、単に日本製だからですね。
DS Audio / Tantra 2
ざっくり言うとマルチエフェクトです。
かなりエグい音が作れて、しかも出音が良い。
さらにプリセットがめちゃくちゃ多いので、作編曲で困った時によく頼っています。
iZotope / Stutter Edit 2
スタッター系のエフェクトでは特に有名です。
こちらも作編曲で、いかにもスタッター系のエフェクトですよ!という感じの音にする時に使っています。
上のTantra然り、こういうのをいくつか持っていると使っていないループ素材なんかがいくらでも化けられるので、本当に持っていない人にはおすすめしたいですね。
Xfer Records / LFOTool
サイドチェインのダッキング用に使っています。
他にもプリセットで色んな動きをつけることができるので、こちらも作編曲時に頼る時があります。
Sonnox / Vox Doubler
一番使っているダブラーです。
時に数本のコーラスから合唱っぽい感じにするのに使っています。
音は好みが結構分かれるようですが、私はかなり好きです。
ダンスミュージックやヒップホップには相性抜群ですね。
Steinberg / AutoPan
普通のオートパン。
A.O.M. / Sakura Dither

音を弄れるディザーです。
ディザーに拘ろうと思ってもそこまで選択肢は多くないので、必然的にここに行き着くのではないかなと思います。
GUIかっこいいですね。
日本製ということもあってディザーはこれしか使っていないです。