BettermakerのプラグインEQ『EQ232D』をレビューしていきます。
Bettermakerの実機はどれもハードウェアではあるのですがPCの中でプラグインとして動かす物となっていて、それをわざわざプラグインにするなんてただの廉価版か?と最初は思ってしまいました。
しかし実際使ってみるとこれはこれで良い。
PultecタイプのEQ
クラシックなEQには今に至るまでずっと人気なPultecというEQがあります。
ハードウェアでもプラグインでもこのPultecそのものを再現したような物であったり、Pultecを強く意識したような物がたくさん作られています。
今回紹介するこのEQ232DもPultecを意識して作られたEQになります。
Pultecタイプの特徴はいくつかありますが、その中でもこのEQ232Dにもっとも受け継がれているのが低音の綺麗さです。
低音も高音もですが、Pultecタイプは基本的にブーストをするのが強いEQと言えます。
良いところ
できることが多い
PultecタイプのEQは基本的にハイとローのシェルビング2バンドとなっているので、できることは多くありません。
(Pultecタイプは種類がありますが、その中でも一番ポピュラーなモデルの話です)
しかしこのEQ232DはP SectionというPultecの部分にプラスしてハイパスフィルターと2バンドのEQが搭載されています。
したがって普通のPultecEQが2バンドのところ、このEQ232Dは5バンドのEQということになります。
追加された2バンドのEQも自由度が高く、Pultecだけでは手が回らない部分をカバーしています。
音が綺麗
全体的に音に癖がなく、扱いやすい音のように思えます。
Pultec部分でブーストした時に、音がとても綺麗ではあるのですが特別リッチな感じでもありません。
マニュアルや公式サイトなど見てみたのですが、恐らく本家Pultecに入っている真空管が搭載されていないというのも大きいのかなと思います。
(多分入っていないはずです。自信ない......)
このEQ232DはマスタリングEQとして元々作られているようなので、余計な味付けは不要として真空管は取っ払ったのかもしれないですね。
実際マスターやバスに使っても本当に自然に音をブーストしてくれます。
特にローエンドは適当なEQでブーストするとどうしてもあまり自然な感じ、綺麗な感じにならないことが多いので、ローエンドを自然にブーストしてくれて感動しました。
他のPultecタイプの物でやるとやはり真空管の歪みが入るので、単体トラックでは良いのですがマスターやバスだと躊躇してします。
微妙なところ
画面が分かりづらい
UIが実機そのままなのですが、実機からして分かりやすくはないです。
プラグインに触り慣れている人でも初見では戸惑ってしまうのではないかと思います。
Pultecは基本使うのが簡単という特徴もあるかと思いますが、そういった良い部分はこのEQではなくなっていますね。
一応慣れればまったく問題はないと言えるのですが、そんなのは大体の物がそうなのであまり擁護にはならないかも。
その代わり見た目はかっこいいですね。
まとめ
見た目がかっこいい代わりに使いやすさが消え去ったけど、音はこれはこれで良いEQです。
あと軽いのがやっぱり良いですね。
元々マスタリング向けのようですが、単体トラック・バス・マスターどれに使っても使いやすく感じました。
やっぱりPultecですね。
Bettermakerは他にも素晴らしいハードウェアがあるので、それらのプラグイン化というのも期待したいところです。
(実機もプラグインみたいなものですが)