Brainworxのチャンネルストリッププラグイン、bx_console AMEK 9099をレビューしていきます。
デジタルとアナログのハイブリッドのようなチャンネルストリップとなっています。
00年代に活躍したコンソール
AMEKが00年代初頭にリリースしたコンソール9098iがモデルとなっています。
このAMEK9098iコンソールをPA公式ではアナログコンソールの最高到達点の1つと評しています。
AMEKはルパートニーヴ氏が90年代から00年代くらいにかけて活動していたハードウェアメーカーです。
やはりサウンドはルパートニーヴ氏のサウンドを汲んでいます。
良いところ
EQにAuto Listenモードが付いた
TMTを初めとしたPA特有の機能がチャンネルストリップのシリーズには多く搭載されていましたが、今回の9099はさらに今まで付いていなかった機能が搭載されました。
それがEQのAuto Listenモードですね。
選択しているバンドのみを聴けるようにできるモードです。
最近のデジタルEQには結構付いているモードなのですが、アナログ系は実機にもちろんないので基本つきません。
特にこのEQはかかり方が派手で、適当にやりすぎるとかなり音がぶっ壊れるのでこういったでティールを見やすくしてくれる機能は本当に助かります。
またアナログ系は基本ざっくりとした音作りになりがちでそれも良さではあるのですが、Auto Listenモードが付けばもう少しデジタル系のような細かい処理もできるかもしれません。
コンプが良い
コンプのセッティングの幅がとても広いです。
今の時代付いていて欲しいDry/Wetやサイドチェインハイパスフィルターはもちろん、Kneeがハードとソフトで切り替えることができます。
このKneeの切り替えが大きくて、ベースやストリングスなど音が持続するトラックと打楽器などの歯切れが良いトラック療法に適したコンプができるようになります。
これもアナログ系では最初から決まっている設定に則って使うのが基本なので、チャンネルストリップだけでミックスを完結できるように意識しているのかなと思います。
出音もいい感じにまとまるので、雑に使ってもそれなりに良くなるアナログ系特有の良さも残していると感じます。
微妙なところ
値段が高い
定価で449ドル。
周りは349ドルのラインが多いので明らかに1段上の値段になっています。
日本円でこの記事執筆当時だと5万円をやや超えています。
セールでも1万円は切らないのでPAの中では最高級の部類。
コスパ的にはそこまですごく良いかと言われると即答はできる気がしませんが、5万円の仕事はしてくれる可能性が高いと思います。
(もちろんセールで買いましょう)
まとめ
EQのAuto Listen以外にモノメーカーとステレオイメージャーもPAのチャンネルストリップでは初めて付きました。
アナログとデジタルのハイブリッドがまた進んだプラグインと言えるのではないかなと思います。
ちなみに公式がsoundcloudに上げているデモはトラップ系の物が結構多かったので、スロー〜ミドルテンポくらいのヒップホップやクラブミュージックにも良いなぁと思っています。