Lindell Audioのチャンネルストリッププラグイン50 Seriesをレビューしていきます。
APIがモデル
アメリカのポピュラーなAPIのコンソールをモデルにしています。
APIは世界で初めてコンピューターをコンソールに入れたり、オートメーション機能を入れたりと先進的なコンソールメーカーと言えると思います。
アメリカの音=APIと言えるくらいアメリカの音楽の定番となっています。
良いところ
API全部入り
APIのエフェクトでよく使われるのはパラメトリックEQやVCAコンプではないかなと思います。
しかもわりと種類もあるのですが、それらが一つにまとまっています。
セクションとしてはまずはプリアンプ。
Lindellのチャンネルストリップのプリアンプはかなり使いやすく、音の入力を-20dbするスイッチや、プリアンプに入力した分音量の大きさを保つUnityスイッチ、ハイパスフィルタースイッチなどプリアンプで付いていて欲しい便利な機能が揃っています。
次にEQですが、APIのEQはWavesなどでパラメトリック2つ、グラフィック1つがプラグイン化されています。
デフォルトが4バンドの50Bとなっていますが、こちらなんと上記の3つの中で切り替えることができます。
そしてコンプレッサー、多くのプラグイン化されているAPIのコンプはVCAの物で『APIのコンプと言えばVCA』と多くの人は認識しているのではないでしょうか。
私自身APIには詳しくなく同じようにVCAのイメージが強かったのですが、このプラグインではVCAとFETでコンプを切り替えることができます。
ここでAPIにFETのコンプがあったことを初めて知りました。
最後にゲート/エキスパンダーが付いています。
音が派手
通してそれとなくEQを弄るとなかなか音がブライトになります。
またプリアンプの音がいい意味で硬くなるので、ピアノやキーボード系と特に相性が良く感じます。
スネアやキックもアメリカっぽいキレがあって大きな音像の音が期待できます。
EQ自体のかかり方が特別派手という感じはしないので(地味でもないです)プリアンプによるところが大きいのかなと思っています。
微妙なところ
EQのノブが無段階
EQのゲインのノブが無段階で小数点第二位まで自由に動かすことができるようになっています。
実機は2dbごとにゲインを動かせる仕様になっています。
多くの同モデルプラグインも同じく2dbごとの仕様になっています。
無段階になって嬉しいという人もいるかもしれませんが、個人的には実機準拠の方が使いやすくてよかったなと思ってしまいます。
できることが少ないのが逆に迷いが少ないのでそこが良かったです。
APIにそこまで綿密な設定も求めていないので......
まとめ
EQのノブで個人的に難癖をつけてしまいましたが、出音に関してもWavesをずっと使っていてそれをイメージしているという人は「あれ、なんか思ってたのと違う......」なんて話もあったりします。
これはこれでとてもクオリティーが高く使いやすいチャンネルストリッププラグインであることは確かだと思いますが、先人が築き上げてきた物は大きいということなのでしょうか。
個人的にはプリアンプが非常に使いやすいのと、できることが多くてよりミックスをこのプラグイン内で完結させやすいのでとても気に入っています。