Louder Than LiftoffのプラグインEQ『Chop Shop』をレビューしていきます。
500シリーズのEQがモデル
実機はapi500の規格でリリースされていたEQです。
正直あまりメジャーな機種ではないはずです。
実機に関してあまり書けることは多くないのですが、このプラグインに関してはPAの他の物とは少し勝手が違います。
大体こういった外のメーカーの機材をプラグイン化する時はBrainworxがプラグイン化するにあたっての共同開発に入ることが多い印象でしたが、このプラグインはUnfiltered Audioが共同開発で参加しているんですね。
やっぱりUnfilteredが入っているだけあって、よくあるEQとはちょっと違う物になっています。
良いところ
補正する系EQ
前回記事を書いたDangerous MusicのBAX EQのような音を補正するタイプのEQになります。
公式でもトーンシェイピングEQと書かれていたりします。
ただ中身はBAX EQとは全然違います。
BAX EQは低域と高域のシェルビング、そして低域と高域のフィルターとなっていました。
それに対してこのChop Shopは低域と高域のフィルター、そしてTiltEQという構成となっています。
ある周波数を始点としてシーソーのような動きをするEQ。
例えば高域を上げれば低域が減衰する。
ちなみにこのChop Shopではどこが支点かプラグインのマニュアルには書いてませんでした。
一応SHIFTというボタンを押せば支点を下げられるみたいです。
マスタリングも視野に入れているということもあってか、両フィルターはかかり方があっさりめです。
流石にそれなりにガッツリかければフィルターかけた感は出ます。
どこかおもちゃ感のある見た目ですが、音はかなり自然です。
PAの著名人のレビューなんか見てても、レコーディングした素材の補正なんかに向いているみたいですね。
個人的にはマスターに挿すならBAX EQかなと思ってしまいますが、Chop Shopは特にアコギなんかの高域を大事にしつつ生音には低音がかなり入っているような楽器に良いのではないかなと思っています。
似たような理由でクリーンやクランチのエレキギターにもよく使っています。
LO-RIDER機能が面白い
LO-CUTセクションにはLO-RIDERという機能が入っています。
これはLO-CUTでカットしている部分がそのままローパスフィルターに変わり、ローパスされた低音をDry/Wetで原音に混ぜることができるという機能です。
実機では隠し機能だったのだとか。
ドラムやベースで使うことを推奨されています。
パッと思いつくのはTiltEQでハイ方向に上げて、ローが下がった分LO-RIDERで戻すとかでしょうか。
ドラムなどの音が細かい物よりも、音が持続するベースの方が決まりやすい感じがします。
ただEQでブーストするのとは勝手が違うので、ハマったら強そうです。
微妙なところ
見た目が分かりづらい
他のプラグインでも共通するようなノブが少ないと思います。
実際触っていって慣れれば動かせるところは少ないのでそこまで難しくありません。
しかしパッと見で分かりづらいので、そこで損をしているような気がしてしまいます。
マニュアルが紙ペラ1枚
少なくともPAのプラグインの多くはプラグイン名+manualなどで検索すればPDFのマニュアルを見ることができます。
このChop Shopもマニュアルを見ることができますが、なんとPDFで紙ペラ1枚だけとなっています。
ダラダラ長くするのではなく1枚にまとめたと言えば聞こえは良いですが、実際のところTiltの周波数が書いていないのでもうちょっと書いてくれると助かります。
ちなみに他のPAのプラグインのマニュアルは10ページ前後はあるものが多いです。
まとめ
色々ツッコミどころがあったり他と違うことをしようとしてたりで、非常に好きなEQです。
実際ミックスで最初の方に音を整える目的で特定のトラックに使うことが多いです。
値段も結構安めなので、余裕があったらでいいのでデモで試してみて良かったら買ってみてください。