【レビュー】AMEK EQ 200がユーティリティー性高くて最高におすすめな件【Plugin Alliance】

前々から予告されていましたが、ついにAMEK EQ 200が5月19日リリースとなりました。

TMTなど最近のPlugin Allianceではおなじみの機能などが付いており、AMEKとしては恐らく初の公式プラグインということもありまして各種方面では期待を募らせていたことだと思います。(bx_2098は一応Brainworxから出ていますが、サイトにはAMEKの実機の名前があるのでもしかしたらこれも公式かもしれません)

今回はざっくり触ってみたので使用感等、レビューしていきたいと思います!

 

目次

概要

 

AMEKの名を関している本機ですが、実際AMEKにはEQ200という実機はありません。

調べたところGML 8200というあのパラメトリックEQの生みの親『George Massenburg』のメーカーのEQを元にしているようです。

彼は私が普段使用しているドラム音源Superior Drummer3にも大きく関わっており、業界の最重要人物の一人です。

彼について書くとかなり長くなってしまうので、気になる人は各々で調べてみてください。

 

機能解説

 

注目の機能を解説していきます。

 

今回はちょっと前にRoland CloudのZenologyだけで作ったProgressive Houseで試してみました。

曲について詳しくはこちらからどうぞ↓

 

全体の印象

 

まずはプリセットの中から最も合いそうな名前をしている「HW Mastering EDM」というプリセットを2mixにかけました。

EQの上からリダクションしないレベルでリミッターで持ち上げています。

 

元の2mix

 

そしてEQオン

設定はこんな感じ

見辛いかも......

 

設定を見ていただければ分かると思いますが、まずTHD機能がオンになっているのでどこも弄らなくても通すだけで音は変わります。(THDとは実機のサチュレーションを足すよっていうノブです)

この設定を通す前にTHDのサチュレーションの確認のためにTHDだけ動かして聴いていましたが、味が薄いです。

このひずみが少なくクリーンなのが実機の特徴なのかは分からないのですが(実機を聴いたことがないので)マスタリング用途のパッシブEQとしては広いジャンルで使うことができて第一印象としてはとても良いです。

ただまったく音が変わらないという訳でもありません。分かりやすい温かみというよりかはフワッと持ち上がるような、立体感が良くなる印象で帯域バランスを変えるような部類ではありません。

 

TMT

 

手始めにまずはこのTMT機能ですね。

これは今のPAエフェクトには特殊系を除いてほぼ入っていると言っても過言ではないでしょう。

チャンネル毎の誤差を再現するものです。

コンソールシミュレーター系では特に活躍するこの機能ですが、今回では複数挿していく中で微妙に動きをつけられると言った具合でしょうか。

そこまでこのプラグインに求められている機能ではないと言えますね。

 

AUTO LISTEN

 

この機能をオンにすると触っているノブの帯域だけを自動的にソロで聴けるようにしてくれます。

これは元々PA屈指の人気プラグインである『bx_digital』で有名な機能で、これがあることによって作業効率が数段上がり今では手放せなくなっているという人も多いです。私もバスやマスタリングではよく使っています。

このデジタルならではのユーティリティー機能がアナログエミュレーション系に付いてくれて嬉しく思う人は多いでしょう。

 

GAIN SCALE

 

あまり見慣れない機能です。

ざっくり言うと、すべてのゲインノブの比率を維持しつつ一斉にゲインを変えることができるノブです。

比率が変わらないので元に戻したければデフォルトの100%にすることで元に戻りますし、0%にすればすべてゲインは0に、最大の200%にすればすべてのゲインが2倍になります。

また反転機能もあり、すべてのゲインのプラスとマイナスを反転することができます。

正直私はこの機能を初めて見たので、実際使うかどうかは分かりませんが面白い機能だなと思いました。

 

各種機能のバイパスボタン

 

これが私は一番嬉しい機能で、ステレオイメージャーやモノメーカーなどのノブにバイパスボタンが付いています。

今までのPA製品には一時期からTMTと同じように共通でこれらのノブが付いていてとても便利だったのですが、弄る前と比較したい場合はイチイチノブをデフォルトに戻さないといけない。ノブがどのプラグインにも付いていることは便利で素晴らしいのですがこの部分は中々にストレスでした。

しかし今回ついにバイパスボタンがつきました。これでいつでもワンボタンで比較しながら使えます。これだけでもこのプラグインを評価できるかなと思えるぐらい個人的に嬉しいです。(既存のやつにも付かないかな〜)

 

長所

 

器用なサウンド

 

かなりキレイ目なかかりでジャンルを選ばず様々なシーンで使えます。

サチュレーションもかなり脇役な感じでちょっと質感を足すのには器用に立ち回れて良い感じです。THD機能もバイパスできるので、それをすればデジタルとして使うこともできます。本当に器用。

 

高いユーティリティー性

 

別なところでも書いた気がしますが、とにかく今のPAは昔とは違い品質+ユーティリティー性の高さで勝負していると思います。

その例に漏れずこれもユーティリティー性がめちゃくちゃ高い!

しかもただ多機能なだけではなく本当にいらない機能は付いていないというのもポイントです。

 

迷わないUI

 

初心者の人や今までまったくPAのEQに触ったことがない人であればその限りではないかもしれませんが、bx_digitalに触ったことがある人ならほぼ同じUIなので迷わないですね。

実機はちょっとUIが違うと思うのですが、私はメーカーである程度実機から遠ざかっても統一性がある方が好みです。

 

短所

 

負荷が重め

 

見た目からそんな感じの雰囲気が漂っていますが、ちょっと負荷は重めです。

物凄い重いかというとそこまでではありませんが、軽いと言ってしまうと嘘になるかなというくらい。

マスタリングで使う分には気にならないでしょうが、ミックスで何個も立ち上げるのは厳しいかもしれません。

低スペックなPCでもちょっと厳しいと思います。

 

値段が高い

 

定価『$399』イントロセールで『$349.99』手軽に手が出せる値段ではないですよね。

ブラックフライデー時で、例年の感じから予想しても1万円を超えてくるのは確実でしょう。

最近ではここまでの値段のプラグインを買うことも減ってきたと思うので一歩足を引いてしまう値段ですよね。

ではこのプラグインにこの値段の価値があるかと言うと......人によってマチマチだと思います。私はちょっと定価では勧めづらいですね。

 

総評

 

値段に目を瞑れば現状最高峰のマスタリングEQ

コスパはどうでしょうね。難しい話です。

とにかく利便性が高いので使いたくなってしまうかもしれません。

ブースト方向に使うにしても特別音がリッチだったりと特徴的で華やかになるわけではありませんが、アナログ特有の嫌みのなさと言うのはありどう使っても間違いは起きにくいかなと思います。

 

最後に

 

ここまで見ていて分かると思いますが、これbx_digitalじゃん!っていう。

今のdigitalはダイナミックEQが付いていたりしますが、それが付く前のV2バージョンから派生したもののように見えてしまいます。

THD切ればdigitalになれます。

 

私はAMEKが好きで注目していましたが、ちょっと予想とは斜め上の方向で来たなと思いました。

でもこれはこれでかなり好きだったので今年のブラックフライデーでは今の年額サブスクと入れ替わりで購入したいリストにインという感じです。

 

AMEK EQ 200

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この記事を書いた人

ミックス・マスタリング・作曲・編曲やっています。
自分の持っているプラグインをすべてレビュー記事にアウトプットするのが当面の目標です。
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