2022年現在で私がおすすめする超強力なVSTのリバーブプラグインを9つ紹介します。
リバーブは実際に曲に音を足すので質の面は他のエフェクトよりも重要です。
どれを導入しても制作の質を数段引き上げてくれるでしょう。
おすすめのVSTリバーブプラグイン
Pro-R / FabFilter
オーディオの世界で最もよく使われるエフェクトの1つであるリバーブには、あらゆる形態とフレーバーがあります。優れたリバーブは、自然な音でミックスに完璧に収まります。同時に、専門的すぎるコントロールであなたを混乱させるのではなく、セットアップが簡単で、一緒に作業するのが楽しいものでなければなりません。FabFilter Pro-Rの登場です。
現在のDTM界の覇権の一つであるFabFilterのリバーブプラグインです。
サウンド的にも収録されているプリセットの名前的にもややダンスミュージック寄りな感じがしますが、実際はジャンル関係なく幅広く使われています。
FabFilter特有のUIの良さはもちろんんこと、表示されるスペクトラムアナライザーがリバーブの音によってボヤけて見えるなど、実際の音に近い表示がされるのでかなり分かりやすいです。
同じような表示方法があるリバーブは恐らく今のところ他にありません。
とりあえず最初に買うリバーブとしておすすめです。
Comet / Polyverse
Polyverse Cometは、ボーカル、メロディ楽器、ドラムなど、あらゆるジャンルで活躍するリバーブ・プラグインです。Cometのユニークなプリセットモーフィング機能により、息を呑むような透明感のあるテクスチャーであなたのサウンドを包み込み、生きているような空間をリアルタイムで作り出します。原始的でドラマチック、そして唯一無二の美の軌跡を体験してください。
かなりダンス系に寄ったド派手で滅茶苦茶綺麗な出音が特徴です。
他のリバーブよりも特別扱いやすいみたいなことはありませんが、パラメーターのスライダーが分かりやすくまとまっているので適当に弄ろうとしても億劫にはならないと思います。
また上記のデモ動画にもあるようなテープストップ的な効果も簡単に出せるので、飛び道具としても使いやすいです。
正直値段が高い方ではありますが、それに見合った素晴らしい出音だと思います。
LX480 / Relab Development
何十年もの間、480は他のすべてのリバーブプロセッサーが評価される基準となってきました。
プロに聞けば、480がこれまでに作られたリバーブの中で最高のサウンドを持つものの1つであると広く考えられていることがすぐに分かるでしょう。
独特の、滑らかで豊かな「480サウンド」に匹敵するものはありません。
そして今、この伝説のリバーブサウンドをあなたのミックスにネイティブに、特別価格で提供することができます。
スタジオのコンソールにくっついているのをよく見るLexiconのリバーブを再現したものです。
Lexiconも自社でプラグインを出していますが(480がモデルかは分からないです)それよりも圧倒的に人気な印象です。
何よりも再現度が高く、普通のリバーブとして使うのはもちろんのこと、実機が一番使われていた時代のような今よりもやや古いイメージの曲でがっつりリバーブ感を出せば非常に印象的なサウンドにすることができます。
決して今回紹介するものの中で音が綺麗みたいな感じではありませんが、間違いなく強いリバーブであることは確かです。
このコンプリート版は値段がかなり高めですが、機能を絞ったEssential版がセール時には5000円を切るかなり安価になっているのでそちらもおすすめです。
機能が絞られているだけで音としてはそのままです。
なんなら人によってはEssentialの方がいじれる部分が少ない分、あまり考えなくてもいいので合うかもしれません。
R4 / Exponential Audio
R4は、リバーブハードウェアユニットの歴史感のある暖かさを与えます。これらには全て、クリエイティブコントロールが拡張されたCPU効率の高いアルゴリズムが駆使されています。クリアさを削ることなく、ミックスに色を付けるように設計されたリバーブで、音楽に個性をもたらします。
Lexiconの技術者が独立したメーカーです。
現在はiZotopeの傘下に入ってiZotope販売となっています。
基本的には非常に綺麗な音のリバーブが多い印象ですが、その中でもこのR4はやや上記のLX480のようなアナログを意識したようなサウンドになっています。
Exponentialのリバーブ共通ですが、基本的に機能が多くて普通は別のプラグインと組み合わせて行うような処理も、このプラグインの中だけで完結することができるようになっています。
機能の多さや特徴はあるものの尖り過ぎてはいない出音などで、メインに添えることができるリバーブです。
最近はセールで1000円くらいまで値段が落ちることがあるのでとてもおすすめです。
SP2016 Reverb /Eventide
SP2016は、市販されている最初のプログラマブルエフェクトボックスです。1982年にプロオーディオの世界に「プラグイン」の概念を導入し、ボンネットの下に実際のハードウェア・チップを差し込むようにしました。その特徴的なリバーブで知られるSP2016は、Dave Pensado、George Massenburg、Alan Sides、Roy Hendrickson、Jack Douglas、Mick Guzauskiに使用されています。その豊かなリバーブは、トーキング・ヘッズ、アデル、マライア・キャリー、エミネムなど、数え切れないほどのヒット・レコードで聴くことができます。36年後の今、この特徴的なサウンドがあなたのDAWで利用できるようになりました。
こちらもLX480のような古い機材で人気のあるリバーブです。
個人的にもかなり好きなリバーブで、ボーカルやピアノなどで試してみることが多いです。
音数が多いアレンジの中でも存在感が段違いです。
そこまでセールが多いわけではないので他のリバーブと比べてあまり目がいかないかもしれませんが、バリエーションとしてはとても強力です。(やや趣味的な部分もあるかもですが)
Little Plate / Soundtoys
暖かく、豊かで、広々とした、紛れもないプレートリバーブサウンドを、あなたの指先に。
オリジナルのEMT 140プレート・リバーブにインスパイアされ、このスタジオ・クラシックのゴージャスなサウンドと雰囲気を捉え、楽しくて音楽的なインスピレーションを与えるプラグインに仕上げました。そして、現実の限界に挑戦するため、いくつかの楽しい工夫を加え、オリジナルのハードウェアが夢見た空間へとLittle Plateを導くことができます。
こちらも私が普段よく使うリバーブです。
とにかく操作が簡単でしかも音がとてもかっこいいので、ミックス段階というより作曲・編曲段階で使うことが多いです。
もちろんミックスで使うこともありますが、大体はもう少し複雑な設定ができるリバーブに差し替えることが多いです。
とはいえバッチリハマるトラックにはがっつり使います。
セールで3000円くらいまで値段が下がるので敷居もかなり低いです。
MTurboReverb / MeldaProduction
MTurboReverbは革新的なアルゴリズム・リバーブで、1つのプラグインに約100の素晴らしいサウンドのリバーブを搭載し、さらに独自のリバーブ・アルゴリズムをデザインすることもできます。素早く簡単に使えるので、ミキシング、マスタリング、クリエイティブな制作に最適です…
内臓モデルの多さと質に定評があるMeldaProductionのTurboシリーズ。
例に漏れずこのMTurboReverbも約100種類のアルゴリズ搭載と、他のリバーブとは一線を画す内蔵量です。
サウンドの方向性も使用するアルゴリズムによってマチマチですが、基本的には尖り過ぎず綺麗過ぎずのちょうど良さそうな塩梅。
飛び道具的な機能も豊富なのでこれ一つ持っておけばどんな状況にも対応できそうです。(上記のサウンドの特徴的にどんなトラックにも合いそうではありますが、もっと強いリバーブは他にあるかも)
また独自のアルゴリズムをデザインすることもできるということで、実質リバーブツクール的なこともできてしまいます。
値段がかなり高いのが導入の敷居を上げてしまいますが、それに見合ったモンスターリバーブです。
AbbeyRoad Chambers / Waves
美しいナチュラルチェンバーリバーブから近年人気が急上昇しているディレイカスケードなど、アビーロードの第二スタジオに設置されたエコーチェンバーの豊かなサウンドは今や伝説となっています。長年に渡って失われていたアビーロードのS.T.E.E.D. セットアップと共にプラグインとして蘇りました。 Abbey Road Chambersプラグインは、アビーロードスタジオの伝説的なシグネチャサウンドの一部を形成するエコーチェンバー(残響室)を再現します。ビートルズ以降の多数の名盤においてエキサイティングなリバーブ、ディレイ、その他の独自の空間エフェクトを作り出すために、エコーチェンバーが使用されてきました。
Abbey Road Studioの残響ををDAWの中で再現したリバーブです。
とにかくサウンドが分厚くかっこいい。
ある程度音作りもできますがそこまで細かくいじれる感じでもなければ、いじることを想定したような音でもないでしょう。
あまりアレンジが渋滞したような曲では暑苦しすぎるというか、持て余しそう感じもするので、洋楽っぽくシンプルな曲の方がよりこの強いサウンドを活かせそうです。
Seventh Heaven / Liquid Sonics
ブリカスティM7は、長年にわたり、その繊細な美しさを再現する試みがなされてきませんでした。業界の多くの人が不可能だと考えていました。Fusion-IRは、M7のニーズに合わせて開発された、ユニークなモジュレーテッド・コンボリューションベースのキャプチャと再生のテクノロジーです。コンボリューションベースの残響プロセッサーの音響的なルールとワークフローの可能性を再定義するものです。
コンボリューションリバーブで現実の残響ではなく実機のリバーブを再現したリバーブです。
Bricasti M7というリバーブで、とても綺麗で繊細な出音です。
特にストリングスなどに相性が良さそうだなと感じます。
リバーブ感をしっかり出したいオーケストラ系の曲なんかにはベストマッチなのではないでしょうか。
また音ゲーなどで存在するアートコアあたりのジャンルでも大変良さそうな感じがします。