Brainworxのコンプレッサープラグイン、bx_townhouse Buss Compressor(以下tBC)をレビューしていきます。
tBCはSSLのバスコンプレッサーを元にしたものですが、その中でも特に私が好きなプラグインです。
人気も高いので既に持っているor購入したいと思っているという人は多いのではないかと思います。
現状Plugin AllianceではShadow Hills Mastering Compressorと並んでコンプレッサーの2枚看板くらいに私は思っています。
VCAタイプ
アナログのコンプレッサーは大きく4つの動作タイプがあります。
このtBCはその中でバスコンプレッサーと呼ばれるものに採用されていることが多いVCAタイプになります。
VCAは速い反応とクリーンなサウンドが特徴です。
(速いと言っても1176のようなFETタイプほどではありません)
Gシリーズではない
世の中に出回っている多くのSSL系バスコンプはGシリーズというSSLのシリーズの物をモデルとしています。
今回紹介するtBCはGシリーズより世代が古いBシリーズのコンプレッサー且つ、そのコンプを有名なイギリスのスタジオ『タウンハウススタジオ』が改造した物がモデルとなっています。
よって名前にtownhouseと付いているわけですね。
なので他のSSL系のバスコンプとは大元からして若干違うというわけです。
良いところ
ダイナミクスが広め
SSLG系のコンプはGlue効果というのをかなり売りにしているところがあります。
バストラックなどで音のまとまり感を出すことをGlueと言ったりします。
ドラムバスやマスターでかけられる場合が恐らく多いです。
マスターで少し潰すことで売り物感出るなんて言ったりすることも。
Glueの効果が高いと逆に壁に当てている感みたいなのが強く、音が大きい部分と小さい部分の差があまり感じられない場合があります。
具体的には音が大きいアタックなどの部分がちょっと詰まったような感じになったり。
しかしこのtBCは元のモデルも少し違うということで、出音もちょっと違います。
Glue効果のようなものは感じられるのですが、壁に当たるような感じではなくギュッと固まるような感じです。
そして何よりアタックがかなり強調できます。
SSL系ではありませんが同じPAの人気コンプSHMCA程レンジが広く上品な感じではないものの、アタックがバチっと出る感じはより強く感じます。
ユーティリティー性が高い
PAが誇るユーティリティー機能のすべてが搭載されているわけではありませんが、最低限欲しい機能は搭載されているのではないかなと思います。
同じくSSL系で持っている人が多そうなWavesのものは、プラグイン自体が結構古めということもあってサイドチェインフィルターやDry/Wetなんかは付いていません。
またV-Gainでノイズ量の調整もできるので、適宜入れていくというのがちょっと通っぽくていいなぁと思いました。
(基本ノイズは切っちゃいますが......)
値段が安い
定価が299ドルとなっていますが、セールでは今だと39ドルくらいまで下がります。
私も普段よく使うツールなのでサブスク契約はしていますが何があってもいいように購入もしています。
その時に39ドルで買いました。
さらにセールに配られるバウチャーが重なるとさらに20ドルほど安く購入することができるかもしれません。
こちらはエンジニアのおかしんさんが投稿されているSSLの実機とプラグインたちのブライングテスト動画です。
このクオリティーがこんなに低価格て購入可能なのはなかなかにバグってると感じています。
微妙なところ
音が変わる
これは良い点でもあり悪い点でもあります。
バスでの処理はあまり音が変わらないことを求めている人も多いかと思いますので、このプラグインは結構個性がある方なので微妙に思うかもしれません。
私個人としてはバスでも音作りの延長みたいなことをすることも結構多いので(特にメタル系のドラム)まとめつつアタックをバチっと作れるこのコンプは非常に好きです。
まとめ
出音良し、個性良し、値段良し、な今もっともコスパが高いバスコンプ(弊社調べ)です。
バスコンプの役割を超えて強めに潰したくなる気持ちよさがこのコンプにはあります。
本当にタイミング次第で物凄く安くなるので、チャンスがあれば騙されたと思って買ってほしいです。