様々なメーカーの様々なプラグインを扱うPlugin Allianceで買えるおすすめのコンプレッサーを紹介します。
デジタルのコンプレッサーは使い勝手の良いもの1つとりあえず持っておけば困りませんが、アナログエミュレーション系はそれぞれに個性があり、それはソースや音楽ジャンルなどによっても変えていきたいもの。
2022年版↓
Brainworx / bx_opto
名前の通りLA-2A系のOptoコンプレッサーです。
他の多くのLA-2A系コンプレッサーと比べてサウンド面で特別秀でているということはありませんが、特筆すべきは超多彩なサイドチェインです。
一般的にはサイドチェインフィルターとしてHPがつくことが多いですが、この機種はHP以外にもLPやBPで設定することができます。
よってLA-2AスタイルでfabfilterのC2やwavesのC1のようなサイドチェインコンプの使い方ができます。
さらにSpeedノブでリリースの速度を変えることができ(アタックは固定)LA-2Aのオリジナル版以外のモデルに限りなく近い挙動に変えることができます。
現在数多くリリースされているLA-2A系プラグインの中でもセッティングの幅広さではトップクラスでしょう。
Brainworx / bx_townhouse Buss Compressor
著名なスタジオであるタウンハウススタジオのスタッフが改造したSSLのバスコンプをエミュレートしたという、少々下りが長いバスコンプです。
SSLのバスコンプはパンチが出て派手になるものが多いですが、パンチが出るという表現に加え他のものよりもアタックが濁りにくく原音のトランジェントに近くなります。
また音のキャラクターも他とは少し違い、他のものは派手になる傾向が多いですがこの機種は少しメロウで甘い雰囲気になります。
かなり後発なので単純に解像度が高く、PAの気の利いたユーティリティー機能が加わったSSLGバスコンプというだけでも価値は高いでしょう。
elysia / alpha compressor
実機は100万越え、国内外のマスタリングエンジニアに人気のマスタリングコンプレッサーです。
出音が綺麗ではあるのですが、デジタル的な綺麗ではなくアナログ的な綺麗という感じで決してベタッとならず立体的に仕上げてくれます。
特筆すべきはセミオートのアタック・リリース・スレッショルドです。値を指定して、その前後をオートで往き来するというもので、この機能が非常に柔軟に設定でき人気を集める一つの要因になっています。
このプラグインはもうちょっと古いくらいになってきていますが、同じようなことができるコンプレッサーがないのと最近のプラグインと比べても引けを取らない音の良さでいまだに人気を集めています。
elysia / mpressor
こちらはハードニーでパツンッという感じのパーカッシヴな音になります。
elysiaの出音の特徴としてアナログ的な綺麗な音になるのでモダンなロックや綺麗に且つタイトにしたい時などで活躍するでしょう。
特にGain Limit機能が秀逸で、その名の通り最大Gain Reduction量を決めることができます。これにより永遠にリダクション量が変わらないようにセッティングすれば、これでしか作れないような物凄いタイトな音なども作ることができます。
Millennia / TCL-2
オプトコンプではあるのですが、なんとこちらアタックとリリースを他のコンプ同様自由に弄ることができます。
さらには基本的にLA-2Aと同じ温かさや太さを加える真空管の音が付いてきますが、抜けやざらつきを付与するFETに変更することができソースによって音作りも変えることができます。
オプトコンプなのにアタックリリースの自由度が高くサチュレーションも2種類選択できてM/S機能も付いていたりと、かなり高機能でどんなソースにも使用することができます。
Purple Audio / MC77
実機のMC77は世界で最もポピュラーなコンプレッサーの一つであるUrei176のクローンで、いわばこのプラグインはクローンのクローンといった感じです。
1176系はメジャーからマイナーまで物凄い数がありますが、これはかなりの後発でとにかく解像度が高い。
townhouse Buss Compressorと同様、こちらもアタックが濁りにくくトランジェントが綺麗で、扱いが難しく音が破綻しやすい1176コンプの中でも音が破綻するまでの猶予が長いです。
1176の音になるというよりかはMC77の音になると言ったほうが近いほど、立った個性があります。
1176くさいとも言えるようなざらつきは少し抑えられややマイルドに、その結果存在感はありつつも溶け込みやすい音になっているのではないでしょうか。
Shadow Hills / Mastering Compressor (通常 / Class A Ver.)
マスタリングと名がついていますがミキシングでも強力な実機100万超えの高級コンプレッサーです。
OptoセクションとVCAセクション共に素晴らしいクオリティで2段がけができるというメリットが霞むほど単体で使いたくなります。
特に3段階で選べるサチュレーションが優秀で、どれも元からそこにあったかのような自然さ且つ効果がはっきりと分かる、他のコンプレッサーとは強烈な違いを生み出せる機能となっています。
通常の緑バージョンはスムースに、Class Aバーションは硬質でコンプ感がよく出てよりパンチのあるサウンドになります。
Class AからはPAの売りであるTMT機能他ユーティリティー機能が付き格段に使い勝手が上がりました。Stereo WidthやMono Makerがマスタリングコンプとしての価値をさらに高めています。
SPL / IRON
実機100万越え、SPLの怪物チューブコンプレッサーです。
チューブはアナログの暖かみと言うよりはクリーンで、物凄く薄い布を一枚被せたようなニュアンスを付与します。
チューブの種類も5種類から選択でき、楽曲に合わせたニュアンスが選択できます。
サイドチェインフィルターにも特徴があり、形が違う5種類のフェルターカーブの中から選択でき、マスタリングではより自然なコンプレッションが狙える他、ミックスで奇抜なコンプレッションを狙うこともできます。
Air Bass機能も優秀で、トラックに自然な抜けや空気感を付与でき、手軽にイメージを補正することができます。
Unfiltered / Zip
Unfiltered Audioという会社の特性上、このデジタルコンプレッサーは飛び道具的な使い方をすることができます。
しかし、それと同時にこのコンプレッサーはマルチバンド機能以外のコンプレッサーとしてのほとんどの機能を有しています。
特に秀逸なのがオートスレッショルド機能で、ソースの動きに対してスレッショルドを可変し、コンプ感を一定にすることができます。(ソースの検知方法はRMSかピークで選択することができます。)
またさチューレション系の汚し機能がとても充実しており、特にコンプレッサーとは思えないような過激な汚しができ音作りの幅が広いです。
アタック・リリースも数種類の中から引っかかり方を選択でき、飛び道具的な意味でも、実直なコンプレッサーとしても無限の可能性を秘めています。
最後に
PAの中でコンプレッサーはEQと同じくらい数がある目玉商品の一つです。それゆえ個性が強く且つ使える、基本的にはそんな高クオリティーなプラグインばかりです。
デモで試してみて気に入ったものは頻繁に行われるセールで購入するのがおすすめです。